裁判官の人手不足

いよいよ裁判員制度が始まりますね。
ニュース番組や新聞でも大きく取り上げられています。
私たちは誰でも裁判員になる可能性がありますから人事ではないでしょう。

さてその裁判員制度開始の準備が着々と始まっています。
そしてその準備段階でわかるように裁判官も人手不足の職種なのです。

最高裁は5人ほどの刑事裁判官を東京高裁に配置しました。
これは裁判官の数が少ない地方都市で、万が一、大事件が起きた場合に備えるためです。
裁判官の応援部隊としての配置になります。

どうしてこのようなことが必要なのでしょうか?
一般的に大事件では審理が2週間以上にわたって続くような裁判員制度の裁判が行われた場合に裁判官の数が足りなくなってきます。
それを解消するため、全国の地裁からのその要請に応じて、その裁判官を現地へと派遣します。
その間は裁判員制度を使った裁判以外の事件をその裁判官に代行させるというしくみです。

全国で行われる予定の裁判員裁判は年間でおよそ3000件です。
これが最高裁でどれくらいの数かと言うと2007年公判前整理手続きを終えて、次の1審判決へと至った事件が1036件ありました。
このうちの1019件が判決までのその公判回数が10回未満でした。
また11回から20回の公判を行った裁判は15件ありました。
さらに20回を上回るケースは2件もありました。
このように公判が長くなった場合は、その事件にかかりきりの裁判官が増えるわけで、結果、裁判官の人手不足が浮き彫りとなってきます。

人手不足の影響

裁判員制度の導入によって裁判官が人手不足となってしまう心配があるとお話してきました。
公判を1週間に3、4日開くとした場合でも、公判の回数が10回を超過する裁判となると審理期間がおよそ2週間を超える可能性があります。
一方、裁判員制度の裁判が行われる予定の全国60の地裁、また支部の約半数は、その刑事担当する裁判官がなんと3~4人しかいないという事実もあります。
こうした地方の裁判員裁判の審理が、万が一長期にわたって実施された場合には現地の裁判官はその審判に掛かり切りになってしまいます。
その間、他の事件の審理が滞ってしまう心配があるのです。

こうした裁判官の人手不足の事態をどのように避けるべきなのでしょうか。
いくら裁判官が人手不足と言っても簡単に増やせる職種ではありません。
審理期間がもし2週間を超過する大型の裁判が地方地裁にあった場合、これを応援する部隊がそこへ配置されると考えてよいでしょう。
1998年、4人死亡した毒物カレー事件が和歌山でありました。
記憶にある人も多いでしょう。
この1審公判では実に95回も行われたそうです。
2006年、連続児童殺害事件が秋田県で起きました。この公判は14回もあったそうです。
このような大きな事件が想定して応援部隊を配置しているとのことです。
派遣された裁判官は、その地方で裁判員裁判が行われている間、他の審判も担当します。
例えば単独で審理する公判の覚せい剤事件、窃盗事件などを主に担当して行きます。
裁判官は簡単に人数を増やすことが出来ない難しい職種ですので地方と都心がうまく連携してなんとか裁判員制度を遂行して欲しいですね。